実践商談ノウハウ vol.1
バイヤーニーズをつかみ、
成約率を高めよう
2023.08.31
バイヤーとの商談の際、どのような内容を話せばいいかわからない…、なにも提示できるものが無い…。
商談の際に効果的なアプローチを見つけることは、食品メーカーにとって重要な課題です。商談の場を設けたものの、具体的な提案が難しく、導入機会を逃してしまうことは誰にでも起こりうることです。しかし、地道な営業と準備を通じて、商談の成果を最大化する方法があります。以下は商談において抑えるべきポイントまとめてみました。
Point1
バイヤーが知りたい情報はなにか
- ①商品情報以外も伝える
- きっちり正確に書けていることが前提ですが、商品の情報はFCPシートを見れば大体分かります。生産者にしか分からない開発ストーリーやお客様の声、最適な用途・利用シーンなどを伝えることが大切です。
- ②類似商品は必ずあると思って話す
- 似たような商品は必ずあると思って、提案する商品の価値を明確に示すことが大切です。商品の特徴や優位性、競合との差別化を具体的に説明しましょう。商談の際に競合商品のことを自ら伝えることで自社商品への自信が伝わります。
- ③販売実績や事例を共有する
- 過去の実績や類似の事例を共有することで、提案の信頼性を高めることができます。具体的な成功体験を伝えることで、相手に安心感を与え、商品導入のリスクを軽減できます。
Point2
バイヤーへ提案する準備できているのか
口頭で情報は伝えられても商品のイメージや絵は伝わりきりません。見える情報としてチラシやパンフレット等にバイヤーが望む情報を落し込むのはもちろん、商談相手が成立時に必要なものを事前に把握していると商談は有利に進みます。
- ①バイヤーが欲しい物を提案できていますか?売り先の情報収集が大切。
提案先によって準備するものも変わります。 -
小売店(百貨店、スーパー等)の場合
- 商品POP→商品生産に至ったエピソードなどが分かるものや特別な食材の説明など
- 動画素材→消費者にも分かりやすいレシピ動画など
外食の場合
- レシピ→作り方の手順や分量も明細に記載し、お店にある食材で作れるレシピであればより親切
通販・ECの場合
- キャッチコピー→消費者へ簡潔に伝わりやすい食欲をそそるようなテキスト
例)〇〇賞受賞!肉汁あふれる〇〇牛使用ハンバーグ! - 画像→特に通販やECで売る際の画像は商品を購入する際の判断基準になります。
キレイにコーディネートされた食卓をイメージさせるような画像を用意してください。
- ②帳合(商社・卸)会社の意味とは? 中間マージンを意識した金額設定が大切です。
-
仲介業者を挟んだ場合
掛け率は間にいくつ会社を挟むかで変動します。一般的には、1~2社挟んだ場合はおよそ10%~30%の掛け率がかかってきます。(あくまで参考%となります。)
仲介業者を挟まない場合
こちらは主に、メーカー直販か他社ECサイト等での販売が想定されます。
メーカー直販の場合は希望小売価格での販売が可能となり、他社のECサイトでの販売の場合は販売先の掛け率に応じての金額設定となります。ECサイトの場合
販売時の注意点は、同商品を複数のサイトで掲載する際の価格の共通化です。
今はインターネットで商品名を検索すれば、販売先が出て他社での販売価格が分かってしまう時代です。自社ECサイトや他社での販売価格は共通にしておくことが必要となります。どうしても金額を変化させるには、他商品とのセット販売など、商品の組み方自体を変えていかなければいけません。
Point3
バイヤーへ商品提案のベストなタイミングは
「商談後すぐに取引が開始した」ということも中にはあると思いますが、実際は「時期を見させていただきもう1度ご連絡させていただきます」と検討の期間が設けられる場合が多いのではないでしょうか。では、バイヤーが取引を望む時期とはいつなのでしょうか。
- ①商品が導入されるタイミングをご存知ですか?
-
例えば、7月向けの商品(夏に向けての商品など)であれば、3月ごろから商品の売り込みを開始するのが良いと言われています。
最短でも商品導入の「2~3ヶ月前」がタイミングの良い提案時期ということになります。
2~3ヶ月前の内訳スケジュールを図でご説明いたします。
■商談~販売までのスケジュール一例(小売りの場合)
- ②展示会終了後はどうしていますか?
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商品採用に至らなかった理由のヒアリング
お客様がどのように感じたか生の声を伺い、商品改善の意見をいただく。
他商品の紹介
紹介しきれなかった商品のご提案をすることで、新たに検討していただける可能性と、さらに別種の商品であれば別の担当者を紹介してくれる場合もある。
定期的な連絡
新商品の発表連絡や売出しシーズンでの告知などメールなどを定期的に配信。
アクションをすることで思わぬ商談が生まれることも。
商談会などに参加し、全体の商談数の内1割成約につながれば良いと言われております。
では、残りの9割のバイヤーさんへの対応はどのようにしていますか?
1度御礼メールを送り、反応が無いので終了…という方が大半かと思います。
・・・・そんなの、とてももったいない!!! 次回につなげるために思い切って以下の行動を試してみてください。
バイヤーも皆さんと同じく忙しいことを考慮し、バイヤーのニーズに応えるための提案を数多く提供することで、逆にバイヤーから御社に問い合わせが増える可能性が高まります。この積極的なアプローチを継続することで、信頼関係が築かれ、結果的にバイヤーにとって不可欠なパートナーとしての地位を確立することができると考えます。