今が旬

にんじん

旬の時期

にんじんは、県の1億円産地づくり事業の戦略品目の1つとなっています。栽培では、は種から収穫まで全ての作業を機械で行う機械化一貫体系が確立しており、県下全域での生産拡大に取り組んでいます。
富山県では、全国的にも珍しく水田で栽培しており、にんじんのオレンジ色が鮮やかで表面につやがあるのが特徴です。
作型は、夏まき秋冬どりを中心に、一部は「カンカンにんじん※」としても出荷されています。

※カンカンにんじん
冬の寒さで美味しくなるメカニズムを利用した「とやまのカン(寒)カン(甘)野菜」の1つ。雪の下にすることで旨みや甘味が増すとともに、ニンジン臭さが和らぎマイルドな味になります。

自然薯

旬の時期
11〜1月

自然薯の最大の特徴は、強力なねばり。古くから、精がつく山の幸、滋養強壮や疲労回復に効果がある食べ物として親しまれ、漢方でも「山薬」と称され、珍重されてきたました。
多く含まれている良質の澱粉質やアミラーゼなどの酵素が消化吸収作用を助ける働きを持つほか、カルシウムや鉄分、リン等のミネラルやビタミンも豊富。貧血や高血圧の予防などに効果があります。さらに、新陳代謝や細胞の増殖機能を促進することで、常食すると基礎体力が増強。疲労回復や成人病、ガンや糖尿病の予防にも効果が期待できるといわれています。

ベニズワイガニ

旬の時期
9〜5月

9月1日、ベニズワイガニ漁が解禁されると富山湾の沖合いでは、直径が1.5mある鉄製の重い「カニカゴ」が、ひとつの漁場で何百個も沈められます。水深800~1500m付近に沈められたカゴが再び引き揚げられるのは2~3日後。仕込まれた餌を求めてカゴに入ったベニズワイガニは深海から一気に漁船へ引き揚げられます。浜へ揚げられたベニズワイガニは水分が抜けないように甲羅を下にした仰向けの状態で並べられます。全身に帯びた朱色は、熱を通すとさらに鮮やかさを増し、紅葉よりもひと足早く、鮮やかな紅色で秋の到来を告げます。
冬の味覚の代表格とされるカニですが、ベニズワイガニは水温がほとんど変化しない水深400~2700mの深海で生息します。この海域の水温は0.5~1.0度程度。水深200~600mに生息するズワイガニに比べて殻が柔らかく、水分が多く含まれるのは、水圧が高い深海域に生息するためと考えられます。水分が多く、身が柔らかいことから、ズワイガニの代用品として扱われる時代が長く続きました。しかし、最近では、肉厚で身離れがよく、甲羅の味噌がとろけるように美味しいと、人気が高まっています。

さといも

旬の時期
11〜1月

富山県では南砺市と上市町が主なさといもの産地として知られています。その中でも、南砺市山野地区は歴史が古く、専勝寺農帳によると萬治年間(1660年頃)にさといも栽培の記録が残っています。また、南砺市焼野地区では、享保5年(1720年)に加賀藩より種いもが譲渡され栽培が始まったと言われています。
南砺市の焼野と山野の両地区は、どちらも庄川とその支流の堆積によって形成された扇状地にあり、豊富な用水と水はけに優れた土壌です。この地域ならではの土壌と気候が、南砺産さといもの粘りの強さと柔らかさを育んでいます。

小粒いちじく

旬の時期
8~10月

富山県では、新たに小粒いちじくの生産拡大取り組んでいます。
小粒いちじくは甘味が強いことや、外観が珍しい等の特徴を持つことから、外食産業業界からの関心も高く、評価が高まっています。
県内では、「コナドリア」(収穫時期:8月下旬~10月上旬)と「ネグローネ」(収穫時期:9月中旬~11月上旬)という品種を主要品種として作付しています。「コナドリア」は、1果重が50g前後、果皮が鮮やかな緑色、果肉が赤色、糖度は15%程度と高く、「ネグローネ」は1果重が25g程度で、糖度は16%程度と高くやや酸味があり、ねっとりとした食感で、どちらも果皮が薄いため丸ごと食べることができます。

また生産面では、果樹の中でも比較的作業が容易なこと、農薬が少なくて済むことの長所が挙げられます。
富山県では、高品質な果実を安定的に収穫するために、育苗ハウスを活用した雨よけ栽培や、移動可能なコンテナ栽培に取り組んでいます。

ゆず

旬の時期
11月

デコボコとした独特の曲線美と爽やかな芳香で人々を魅了する「ゆず」。柑橘類に属するため南国で育つ印象がありますが、意外にも耐寒性が強く、東北以南各地の広い地域で栽培されています。富山県内で昔からゆずの栽培が行われているのが、砺波市庄川地区です。
この地にゆずの原種をもたらしたのは、弘法大師と伝えられます。また、井波瑞泉寺を創建した綽如(しゃくにょ)上人にゆずを献上したという逸話があり、中世の時代からこの地でゆずが親しまれていた事がわかります。
庄川ゆずは表皮が粗く、表面のデコボコ感が強いという特長があります。また、温暖な地域で育つものに比べて表皮が肉厚のため、皮が重宝されるという、ゆず特有のニーズに叶っています。さらに、表面がデコボコなため、香りを発する皮の表面積が大きく、特有の強い香りを醸し出しています。1個120g前後のものが主流で、サイズが大きく形が綺麗なものは、贈答用として買い求められます。