富山の食材

アユ

清流の女王「アユ」

アユは、その華麗に泳ぐ姿から清流の女王と称されています。
富山県では、秋に河川の中下流域で産卵し、孵化した仔魚はすぐに富山湾に降ります。冬には、沿岸から2キロ以内の範囲で、カイアシ類などの動物プランクトンを食べて成長します。
4、5月頃には河川に遡上し、夏の間に川の中上流域まで達したアユは、石に繁茂した珪藻を食べて大きく成長します。富山のアユは、一般的に8月~9月の最盛期を迎えると20cmから大きい物は30cm近くに成長します。秋には、再び下流域に入り、産卵の後、1年の生涯を終えます。

このように、一年で生涯を終えることから「年魚」、体表の粘膜にウリ科の食物のように甘くすがすがしい香りがあることから「香魚」、鱗が細かいことから「細鱗魚」と様々な呼び名があります。

富山の速い川の流れで引き締まる身

富山湾から遡上する天然のアユの味わいは、富山の速い川の流れにより身が引き締まり絶品と言われています。
また、アユは頭から内臓、胃の中身まで余すことなく食べることができる、珍しい魚です。
人によって好き嫌いはありますが、アユの内臓には、独特の味わいがあります。

料理もさまざまで、塩焼きのほか、刺身、背ごし、アユ飯、味噌汁、煮物、甘露煮、干物、熟(なれ)鮨、早鮨など多くの食べ方で楽しめます。特にアユの熟鮨は、江戸時代には富山藩から幕府への献上品であったほど、富山の名物として激賞されていました。しかし、近年は人の嗜好が変化してきたこともあり、次第に早鮨(押し鮨)の「ます寿し」にとって代られるようになったのです。

人気なアユ釣り

アユは主に投網漁で漁獲されますが、近年では遊漁としてアユ釣りが盛んとなり、神通川や小矢部川、庄川では、休日になると毛針釣りや友釣り(※)を行う人で賑わいを見せています。

※毛針釣り
毛を付けて虫などの餌にみせかけた針でアユを釣り上げる方法
※友釣り
なわばりに侵入する相手に対して闘争を挑むアユのなわばり意識の習性を利用する釣法で、糸につけたおとりのアユを泳がせ、攻撃を仕掛けてくるアユを掛け針で釣り上げる方法

DATA

旬の時期

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