富山の食材

ねぎたん♩♩

買物袋や冷蔵庫に収まるサイズが好評

夏のシーズン、そうめんなどの麺類に欠かせない薬味が「ネギ」。ところが、一度包丁をいれたネギをなかなか食べきれずに、放っておくケースが少なくありません。
「使い勝手がよく、一度に食べきれるネギが欲しい」という消費者の声に応えて、富山県農林水産総合技術センター(旧富山県農業技術センター)は国の農業・食品産業技術総合研究機構と協力して、1997年から「短いネギ」の研究に取り組んできました。
その結果、2010年2月、「越中なつ小町」「越中ふゆ小町」の名称で富山県のオリジナル品種が登録され、現在これらはブランド化を図るため、「ねぎたん♩♩」という商標名で登録され親しまれています。

「ねぎたん♩♩」の特徴

白ネギの出荷規格は、全長60cmで、白い部分にあたる軟白部が30cm以上と定められています。これに対して「ねぎたん♩♩」の全長は40cmで、通常の白ネギの3分の2というコンパクトサイズ。買物袋や冷蔵庫にもすっきりと収まる取扱いのよさが特長です。長さは短いですが太さはあるため、1本当たりの重量は通常の白ネギと変わりません。「ねぎたん♩♩」は、短いというだけではなく、葉のやわらかさと辛みの少ないマイルドな味にも魅力があります。
熱を加えると甘みがさらに際立つので、焼きねぎや蒸しねぎにして、サラダやマリネなどでお楽しみください。ねぎ嫌いなお子様にもおすすめで、家庭の食卓でより一層活躍しそうです。

短いことは生産者にとってもメリット

白ネギよりも短い「ねぎたん♩♩」は、栽培期間が短いという点において、生産者にとってもメリットがあります。栽培期間が短いと害虫がつきにくく、病気にもなりにくいため、長いネギより手がかからずに済むのです。白ネギは軟白部を育てるために、根元に土を寄せる「土寄せ」を行いますが、この回数も少なくて済みます。定植時に、土を掘る必要もありません。これらのことから、白ネギに比べて農作業の省力化が見込めるというわけです。さらに「ねぎたん♩♩」は一時的に夏ネギの収穫量が少なくなる(抽台・開花のため)7月に出荷できます。そのため、通年での出荷体制が見込めます。また水稲作業の時期と重複しないため、複合経営に適しているなど、様々なメリットがあります。
「ねぎたん♩♩」は射水市新湊地区を中心に、2006年あたりから本格的に栽培されはじめました。2007年に約33トンを出荷。一部は中京地区へも出荷されました。その後、黒部市、魚津市、氷見市、滑川市、富山市などへ栽培が広がり、県全体で2018年は61トン出荷され、うち41トンが首都圏へ出荷されました。

脚光を浴びるミニ野菜

家族構成や食生活の変化から、小さなサイズの野菜が人気を呼んでいます。買い物した時の持ち運びやすさと、一度で使い切れる使いやすさはもちろん、見た目の可愛らしさや、無駄を出さないエコブームも人気の背景にあるようです。手頃なサイズに切り分けたカット野菜よりも日持ちし、水分や栄養価が損なわれないという点も支持される理由です。
ミニニンジン、ミニカボチャ、ミニキュウリ(ひめきゅうり)など、小さなサイズの野菜はありますが、消費が多く見込まれないため、生産者が限られてきました。ミニ野菜が注目されるこの機会に、例えばミニトマトがお弁当から和洋のコースメーニューまで様々な場面で活躍しているように、小さいならではの新たな調理法や活用法が見いだされることが期待されます。

DATA

旬の時期

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  • 9
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主な生産地

  • 県内全域