富山の食材

トマト[特産の匠]

一足早い、富山トマトの季節

富山市八ケ山地区でトマト栽培がはじめられたのは、今から50年前にさかのぼります。富山駅まで車で10分ほどの距離にあり、都市郊外型の近代的な農業がさかんなこの地区は、現在も生産出荷組合が独自に運営する産地市場が開かれるなど、中心市街地の台所として多くの農産物が供給されています。「産地市場を開いているので、業者や消費者のニーズをいち早く取り入れられる」と話すのは、八ケ山園芸生産出荷組合の福島保之専務理事。トマトの市場性にいち早く目をつけた同組合は、県内で先がけて昭和40年に選果機を導入し、集出荷体制を整備。現在は約2.0haの農地で、8軒の農家がトマトの栽培を行っています。

地区や農協をまたいで統一ブランドを発信

八ケ山地区に続いて、富山市南部にある友杉、安養寺、石田、関、森田、西野新地区でもトマト栽培がはじめられました。平成6年、富山産トマトの品質向上とブランド力強化を目指して、八ケ山地区と富山市南部の生産地が協調し、統一ブランドとして「富山トマト」が誕生。南北の両地域で収穫されたトマトは、地区や農協を越えて一元集荷され、「富山トマト」という統一ブランドで出荷されています。 平成30年現在、両地区をあわせた富山トマトの栽培農家は全12軒、栽培面積は約3.0ha。毎年約200トン前後が安定して県内市場へ供給されています。

一足早い、富山トマトの季節

「富山トマト」に関して注目されるのは、全生産者がエコファーマーとして知事の認定を受けていることです。エコファーマーとは、堆肥による土づくりや、化学農薬・化学肥料を減らした環境にやさしい農業に取り組む生産者に与えられるものです。「時代に先がけてトマト栽培をはじめたように、消費者が求めるものをつくり続けたら、エコファーマーの認定ということになった」と、福島さんは説明します。 地産地消を合い言葉に、地元産農産物の生産流通の必要性がますます高まるなか、時代に先がけた「富山トマト」の取り組みに、今後ますますの期待が寄せられます。

富山トマトは新鮮であることが何よりのごちそう

栽培方法の改善や品種の改良によって、近年は1年中トマトを食べることができます。国内で最もトマト栽培がさかんな熊本県をはじめ、九州地方で栽培されるトマトは冬から春にかけて収穫され、全国へ流通します。トマト前線は徐々に北上し、「富山トマト」が収穫を終えた8月以降は岐阜県産や北海道産が流通し、再び九州地方へと収穫の舞台が移されます。このようにトマトは1年を通じて店頭に並びます。 これらのトマトと比較して、富山トマトは何よりも新鮮であることが特長です。朝に収穫されたものがすぐに選果場へ運ばれ、早ければその日の夜の食卓に並びます。獲れたてのトマトは、太陽の恵みと大地の香り、そして故郷の大地が育んだ栄養を、抜群の鮮度で我々に届けてくれます。 いろいろな野菜が四季を問わずに出回る時代だからこそ、産地や旬にこだわってみてはいかがでしょうか。

DATA

旬の時期

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  • 7
  • 8
  • 9
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  • 11
  • 12

主な生産地

  • 富山市

[特産の匠]山口 清(やまぐち きよし)

【富山市】富山トマト

消費者に安心して食べてもらえるトマトを生産するため、減農薬栽培に取り組み、さらにはマルハナバチ、フェロモントラップ、粘着板などの栽培技術をいち早く導入し、平成15年にエコファーマーの認定を受けた。 また、連作障害を回避するため、堆肥投入や除塩対策による土づくりを励行している。 富山県野菜生産出荷組合協議会会長などを歴任し、組織の育成強化に尽力するなど、よきリーダーとしての役割を果たすとともにその人望は厚い。 トマト以外にも水稲、白ねぎの複合経営に取り組み、すべてに高い栽培技術を誇っており、県野菜生産者のリーダーとして活躍している。