富山の食材

枝豆

黒大豆「たんくろう」を特産化

平成22年度に富山県でスタートした、各地のJAや地域の担い手とともに販売額1億円の大規模園芸地づくりを目指す「一億円産地づくり」。JAいみず野では、このプロジェクトの戦略品目を「枝豆」として、生産拡大に取り組んでいます。平成23年度には、枝豆の集出荷施設が完成。平成24年から本格稼働し、例年よりも早い7月12日頃から、いみず野産枝豆を県内市場へ出荷しています。
主力品種の「たんくろう」は、流通量が少ない黒大豆の枝豆です。「たんくろう」は甘みが強くコクがあるのが特徴で、特に暑い季節は塩茹でしたものがビールのお供に最適と評判です。 平成30年はJAいみず野管内の31haで栽培され、74トンが出荷されました。

収穫後の温度調整で鮮度を保持

富山県で販売される枝豆の多くは、岐阜県産が占めてきました。また、隣県の新潟県も枝豆の一大産地であることから、これまで県内産の枝豆はほとんど栽培されていませんでした。
JAいみず野が枝豆栽培に取り組みはじめたのは、平成17年から。それまで大豆の栽培を推進していたことから、そのノウハウを活用し、枝豆の作付面積を少しづつ増やしてきました。他県産との差別化を計るため、当初から黒大豆の栽培に着目し、現在は「たんくろう」に一本化されています。
枝豆は鮮度が落ちやすい品目なので、富山県内で収穫から食卓に届くまでの時間が短い県産枝豆は有利になりますが、それでも急激な温度変化に伴う品質劣化が激しく、鮮度を保つためには、収穫から販売までの過程で、周辺の温度を徐々に下げてやることが重要です。
JAいみず野では、気温が低い早朝に収穫することで、温度変化を抑える取組みが行われており、さらに平成30年度からは、集荷した枝豆を室温が異なる2箇所の予冷庫間を順次移動させて冷やし、その後の選別ラインの工程では、冷気をあてながら選別作業を進めるなど、枝豆の温度を低温に保ち、鮮度が落ちないようにしています。

さらなる生産拡大を

枝豆の種が芽を出すためには、地温15℃以上を必要とするため、5月初旬に種をまき、8月上旬に収穫するのが普通の作期です。JAいみず野では、この収穫期を少しでも早めることで他県産との差別化を図り、本格的なビール需要期がはじまる7月に間に合わせるため、黒いフィルムで畝を覆い地温を高めるマルチ栽培を行っています。さらに平成26年度からは6月からの収穫を目指してハウス栽培にも試験的に取り組んでいます。また、播いた種子を鳥が食害することを防ぐため、畝にネットをかけるなどの工夫により単収の向上に努めています。JAいずみ野では、今後も作付面積の拡大と収量の向上により、生産拡大を目指していきます。

射水産枝豆を新たなかたちで商品化

生産拡大に加えて、枝豆を使った商品開発も始まっています。JAいみず野直売所「村の駅 菜っちゃん」で発売されている「枝豆ソフトクリーム」は塩茹でした枝豆のような風味があり、その珍しい味わいが人気を呼んでいます。1つ250円、7月中旬から8月下旬まで販売されます。
その他、豆ご飯、枝豆とうふ、漬物といった商品が開発中です。今後、射水産枝豆の新たな魅力に出逢えそうです。
■問合先:
JAいみず野営農生産販売課(0766-52-0368)
村の駅 菜っちゃん 太閤山店(0766-56-3272)
村の駅 菜っちゃん 新湊店(0766-84-8818)

DATA

旬の時期

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12

主な生産地

  • 射水市