富山の食材

とやまポーク[特産の匠]

ブランド豚が各地で花盛り

黒部名水ポーク、立山ポーク、滝寺マーブルポーク、城端ふるさとポーク…等、産地の地名を冠した様々な「地豚」がよく聞かれるようになりました。現在、富山県内で養豚を営むすべての生産者が、産地銘柄として地名や飼育方法にちなんでつけています。「とやまポーク」には冒頭の4つに加えて、小矢部のメルヘンポーク、砺波市のたかはたポーク、富山市八尾のおわらクリーンポーク、南砺市のむぎやポークと地養豚(じようぶた)をあわせて全9銘柄があり、それぞれに産地ならではの工夫や生産者独自のアイデアが加えられています。
「お互いに知恵を絞って切磋琢磨するなかで、養豚のレベルを日々向上させていくのが狙いです。」と話すのは、生産者すべてが加入する富山県養豚組合連合会の新村会長。黒部名水ポークのブランドを普及させた立役者の一人である前会長の木島さんは、1990年から豚肉のブランド化を強く押し進め、仲間と共に苦労の末、1999年から黒部名水ポークの供給をスタートさせることができました。この成功に追随するようにして県内の銘柄豚(9銘柄)が立ち上がりました。その銘柄豚の総称を表すのが「とやまポーク」です。

品質を特長づける3つの共通点

富山県内養豚家の飼育方法には、3つの共通点があります。1つ目は、飼育する豚の種類。富山県農林水産総合技術センター畜産研究所(種畜供給センター)が供給する系統豚のタテヤマヨークⅡを中心とした大ヨークシャー種と、繁殖能力に優れたランドレース種を交配して生まれた雌に、雄のデュロック種を掛け合わせた三元交配種を原則としていること。むぎやポークが種豚にバークシャー系の黒豚を用いる等の例外はあるものの、ほとんどの養豚場がこれら3つの種を交配させます。
2つ目は、飼料のやり方。豚は生まれてから180~200日で出荷されますが、それぞれの成長段階にあわせた飼料が供給されること。飼料の組合せや配合率は各生産者によって異なるものの、5つのステージに細分化し、成長にあわあせた飼料を与えるという意識統一が図られています。
3つ目は、富山県内唯一の処理施設である㈱富山食肉総合センターで的確に処理されるので、新鮮で衛生面や品質面が安定していること。県内1箇所で集約的に実施している都道府県は全国でも10県と少ないようです。
三元交配種、成長にあわせた飼料の供給体制、処理施設の一元化、病気がないクリーンな品質。各ブランドによってそれぞれの特長が加わるにしても、これらの3つが「とやまポーク」を特長づける根幹になっています。

「安全でおいしい」を目指す団結力

富山県養豚組合連合会は、1966年に発足。生産者が県全域に渡って連携することで、品質の向上につとめてきました。生活環境の変化や後継者不足で組合員は激減しましたが、県内すべての生産者がひとつの組合を組織するのは全国的に珍しく、「とやまポーク」が安定した品質を誇る大きな要因となっています。「組合員はいいものを積極的に取り入れる協調性とフットワークの良さがある。これからも一枚岩となって、安全でおいしい養豚につとめたい」と話す新村会長の目は、「とやまポーク」の明るい未来を見つめています。

ブランド力にひと役買う「竹酢(ちくさく)」の効能

竹酢液とは、竹を蒸し焼きにしたときに出る蒸気を冷却してできる液体のこと。殺菌や消毒作用があるとして、古くから日本の生活に取り入れられてきました。これを豚の飼料に混ぜる取り組みが広がっています。この方法を発見した前会長の木島さんは「竹酢を飼料に加えることで、豚肉特有の臭みが少なくなり、調理してもアクが出にくい」と、竹酢の効能を指摘します。黒部名水ポークの取組みにならって、富山県内生産者の多くは、飼料に竹酢を混ぜる取組みを実践しており、これが「とやまポーク」の特長のひとつになりつつあります。

DATA

主な生産地

  • 小矢部市、砺波市、南砺市、富山市、立山町、黒部市

[特産の匠]木島 敏昭(きじま としあき)

【黒部市】黒部名水ポーク

ピッグブリーダー(優良な豚の繁殖農家)として種豚の改良と肉豚の生産に努め、県産豚の普及に取り組んできた。 大ヨークシャー種やデュロック種などの優良品種なかけ合わせとともに、ミネラルを豊富に含んだ黒部川の伏流水で育て竹酢液を混ぜ合わせた飼料などを与え、骨太で赤肉がしっかりとついた高品質の豚を育てている、 「黒部名水ポーク」としてブランド化しており、肉厚でジューシーで旨味成分が多い高品質の豚肉として評価が高く、テレビ番組にも取り上げられている。