富山の食材

富山しろねぎ[特産の匠]

富山を代表する野菜「富山しろねぎ」

富山県内で生産される野菜の中で、各地で幅広くつくられている品目が白ねぎです。主要な生産地は、富山市、射水市、氷見市、黒部市、立山町ですが、県内ほとんどの農協で水田転作作物として生産・出荷されています。特に、農協系統で共同出荷される白ねぎは、「富山しろねぎ」という商品名で、県内はもちろんのこと、岐阜や名古屋など県外市場へも多く出荷されています。「富山しろねぎ」はジューシーで柔らかく、しまりがあって甘いことから市場評価も高く、出荷期間は7月から12月で、10月が出荷ピークとなります。

黄金色の田園に現れる緑の圃場

富山市八ケ山地区では、集落の北部を中心に約100ヘクタールの見渡すかぎりの水田が広がっており、秋になると、黄金色に実った稲穂と青々とした葉を秋空に向かって突き上げる一面の「白ねぎ」畑のコントラストな田園風景に心が奪われます。天に向かって伸びる白ねぎの姿は、生命の新たな息吹を感じさせます。
この八ケ山地区では、水田地帯の一部をねぎ畑に転作し、毎年9~12月上旬にかけて約3ヘクタールの土地で100トンの白ねぎが収穫されます。

集落を挙げて収量の拡大に取り組む

八ケ山地区のねぎ栽培で特に注目されるのは、単位当たり収量が非常に多いことです。10アール当たりに換算すると3.5トン以上が収穫されることもあり、これは他の地域の約2倍で、その理由のひとつに、排水対策の徹底が挙げられます。
ねぎは圃場に水がたまると根腐れを起こしやすいことから、雨に弱いとされます。八ケ山地区の水田は、稲の状況や天候などに応じて水位を調整するための排水対策が徹底されており、雨が降ると圃場から水が抜けるように管理されています。そのため、湿害による根腐れが少なく、あまり農薬を使わなくて済むのです。
また、八ケ山地区のねぎ畑は毎年作付圃場を換えるという特長があります。ねぎは同じ圃場で栽培し続けると病気にかかりやすくなり、収穫量・品質が低下する連作障害が発生します。八ケ山地区では農協が主体となって、1年ごとに田を借り上げ、毎年圃場を換えることでこの連作障害を防いでいます。
八ケ山園芸生産出荷組合の福島保之専務理事は「集落をあげて取り組まなければ、このような取組みは難しい。足並みがそろっているからこそ、多くの収穫量が確保できる」と評価します。黄金色の田園を緑に切り抜くねぎ畑はそんな集落の団結と心意気を示す象徴と言えそうです。

「富山しろねぎ」

白ねぎの出荷規格は、全長60cmで軟白部(白い部分)が30cm以上とされます。県内では富山市八ケ山のほか、新湊、氷見、立山、大山地区などで栽培され、9~12月を中心に、1年で約1,600トンが「富山しろねぎ」として県内外へ出荷されます。

DATA

旬の時期

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12

主な生産地

  • 富山市、射水市、氷見市、黒部市、立山町

[特産の匠]松原 政二(まつばら まさじ)

【氷見市】

県内でもいち早く白ねぎ作業の機械化に取り組み、現在、個人としては県内でも大きな栽培面積を実現している。また、安全・安心な農産物生産のため、緑作物の導入や堆肥等による土作りを行う等、「環境にやさしい」白ねぎ栽培を実践している。 さらに、地区の小学校で白ねぎについての授業を行ったり、生産現場の見学を受け入れる等、生産活動への理解を深める活動にも積極的で、氷見の白ねぎの特化に大きく寄与している。

[特産の匠]金 幸雄(かね ゆきお)

【射水市】

安全、安心、新鮮を基本に、低農薬で高品質な白ネギの高い栽培技術を有し、常に情熱を持って、品質と生産量の向上に努めている。また、新湊野菜出荷組合協議会の会長として、積極的な新技術の導入や組合全体の品質向上に力を入れており、先進地への視察や現地研修を重ね、積極的に新しい技術を取り入れ、組合全体の品質向上に力を入れている。出荷組合として障がい支援施設へ白ネギを寄贈するなどの社会貢献活動も行っている。

[特産の匠]澤瀉 勉(おもだか つとむ)

【富山市】

安全・安心・新鮮をモットーに堆肥等による土づくりや、低農薬栽培に積極的に取り組んでおり、肥培管理、栽培方法などへの研究も旺盛で、高い栽培技術を有し、品質、収量は常にトップクラスである。 また、白ねぎだけでなく、トマト・きゅうりの3部門のエコファーマー認定を受けている。 富山地域施設園芸研究会会長を歴任するなど、地域全体の生産技術の向上に大きく貢献している。