今、いちご栽培がアツイ!
とやまのいちごの魅力
近年、冬の間のハウス栽培を中心に、富山県内でいちごの生産が増えてきています。
一般の消費者をはじめ、加工食品や製菓用などとして、新鮮な地場産いちごの需要が高まってきており、富山県各地で生産されるようになりました。
今回は、そんな富山県のいちごの魅力をご紹介します。
県内のいちごの栽培面積と生産者の推移
栽培されている主な品種と栽培法
品種
栽培法
生産者インタビュー
INTERVIEW
冬季の厳しい環境で、
甘く深みのある「いちご」に。
いちごが育つには本来20度〜25度の温度が適切とされ、
富山県は他の産地と比べて冬季の気象条件が厳しいことから、いちご栽培には適さない地域とされていました。
「僕が、農業を始めた平成20年の頃は、まだ県内でのいちご栽培の成功事例がなく、
指導者もいないということで、やってもきっとだめだろうと言われていました。
でも、諦めずにやってみたら、
富山の厳しい冬の寒さの中で、じっくりゆっくりと太ったいちごは、
その分甘みが増して美味しくなることがわかったんです」と、松本さん。
近年、富山県内で栽培されるいちごは「紅ほっぺ」「かおり野」「よつぼし」の3種類が主な品種です。
特に「紅ほっぺ」は寒さに強く、富山の気候にあった品種として、今では県内の栽培面積の約5割を占めています。
いちご栽培へのこだわり
いちごの様子から
美味しい状態を見極める。
いちごは病気や虫に弱いだけでなく、水やりや肥料の量、温度管理などの状態に少しでも変化があれば、次の日には味が変わってしまうほど繊細な作物です。そのため、いちごがすくすくと育つためには、その都度適正な環境に整えていくことが必要です。
「たとえば、葉っぱの色をみて、どの栄養素が足りないとか、実の形から水やりの量は適正かとか、花が向いている角度から、今の温度でいいかどうかなどが、わかります。だから毎日、農園の中を歩いて観察しています。いちごがどのように生長してほしいかを想像しながら、農園の環境を調節していくことが大切なんです。」と松本さん。
「やっぱり自分たちが食べたい・美味しいと思えるものをお客さんにも味わってもらいたい」と語る、松本さん。そんな想いで農園の作物を育てていると、お客様から励ましの言葉やご意見をもらったり、「美味しかった」という喜びの言葉をもらったりすることがあり、とてもやりがいを感じられているそうです。
生産者の想い
「僕が教育や福祉関係で勤めていた頃に、祖母が家の裏で小さな畑をやっており、それを手伝っているうちにだんだん面白くなってきて農業をやりたいと思うようになりました。昔からいちごが好きで、農業をやるならいちご栽培をやりたいと思っていたのですが、気候の問題や成功した前例がないことなどから富山県でのいちご栽培は難しいと言われていました。そんな状況で諦めかけていたところ、たまたま岐阜県のいちご栽培の名人の方と出会い、その人の作ったいちごを食べて、すごく衝撃を受けました。『こんな美味しいいちごを富山でも作れたら、きっとすごく喜ばれるぞ』という想いや『これが成功すれば、富山でもいちご栽培が盛んになるかもしれない』というイメージが一瞬で膨らみ、その場でいちご栽培をやることを決めました。
当時は、この地域の気候に合う品種を探すことや、いちごの味を安定させることに、とても苦労しました。そして、いちご名人さんに『美味しい、いちごの作り方を教えてください』と頼んだところ、『まずは技術よりも、この一粒でどれだけの人を幸せにできるかを考えなさい』と言われました。『儲かりそうとか、楽しそうじゃなくて、この一粒でどういう風に食卓に笑顔を作りたいのか、会話がこれで一言増えるのかとか、そういうのを考えて真剣にやりなさい。そうすれば、技術は後で身についてくる。』と言われて、一番大切なことに気づかされました。これは今でも真剣にやればやるほど感じることですね。
庭先販売をしていると、お客さんから『生前にうちのいちごをよく食べていたから、法事用に使いたい』とか、『病気で苦しんでいる子を励ましてあげたいからうちのいちごを使いたい』とか言われることがあります。そんな話を聞くと“あぁ、がんばらなきゃいけない”と思うし、そういうお客さんの想いや会話を大事にしながら、いちご栽培に取り組んでいます。
最近では、富山県内でのいちご農家さんも増えています。他の産地に比べて気象条件は悪いですけど、その分美味しいのができるし、他県よりも完熟した美味しい いちご を楽しんでいただけると思います。ぜひ、多くの人に富山県ならではのいちごを味わっていただけたらと思います。」
アグリッチ農園
生産品種
紅ほっぺ |
・・ |
甘みと酸味のバランスが良く、大きい実が特徴的。 幅広く人気のある品種。 |
かおり野 |
・・ |
酸味が少なく、甘いいちごが好きな方におすすめ。 |
おいCベリー |
・・ |
生育は難しいが、濃厚な味わいでスタッフ一押しの品種。 |
収穫時期
12月〜5月末頃
販売店
・フレッシュ佐武
・いみず野農業協同組合営農部門 村の駅・菜っちゃん 新湊店/太閤山店
・株式会社アグリッチ・農園での庭先販売
卸先
地元の洋菓子店等
生産者直売所の紹介
※左右にスクロール出来ます。
JA直売所(くろべ、なのはな、いみず野、となみ野など)、地場もん屋、スーパーマーケットのインショップ等でも富山県産いちごが販売されています。
※いちごの収穫期間(12月頃~4月頃)であっても、生育の状況等により販売していない場合があります。ご了承ください。
※掲載確認がとれている生産者のみを紹介しています。